シークワーサー、すだち、カボスは、いずれも爽やかな酸味が特徴的な柑橘類です。見た目や味も似ていますが、それぞれ異なる特徴を持っています。
この記事では、シークワーサー、すだち、カボスの違いについて詳しく解説いたします。
3種類の特徴と比較
「シークワーサー」「カボス」「すだち」の3種類は柑橘系果実の中でも香酸柑橘という種類で、大きく分類すればレモンやライムと同じ仲間になります。
柑橘系の中でも香酸柑橘は特にクエン酸が多く酸味が強いので、疲労回復・食欲促進に効果があります。
シークワーサーは、沖縄諸島、台湾に自生種ですが、すだちとかぼすはユズの仲間で中国原産で飛鳥、奈良時代に日本に渡ったと言われております。
シークワーサー・すだち・カボスの比較
項目 | シークワーサー | すだち | カボス |
---|---|---|---|
見た目 | 小ぶりで丸い形。緑色から黄色に変化。 | シークワーサーより少し大きく、楕円形。緑色。 | 一番大きく、ごつごつとした表面。緑色から黄色に変化。 |
味 | 酸味が強く、苦味も少しある。 | 爽やかな酸味と香りが特徴。 | 酸味は控えめで、甘みと香りが強い。 |
栄養素 | ビタミンC、クエン酸、カリウムが豊富。 | ビタミンC、カリウム、β-クリプトキサンチンが豊富。 | ビタミンC、クエン酸、リモネンが豊富。 |
用途 | 料理、ドリンク、美容など様々な用途に活用できる。 | 刺身や焼き魚などの薬味としてよく使われる。 | 鍋や揚げ物などのつけダレとしてよく使われる。 |
原産地 | 沖縄 | 徳島県 | 徳島県 |
旬の時期 | 9月~11月 | 8月~10月 | 9月~11月 |
価格 | 比較的高価 | 比較的安価 | 比較的安価 |
選び方 | 皮が緑色で、ツヤのあるものを選ぶ。 | 皮が緑色で、香りが良いものを選ぶ。 | 皮が黄色で、ずっしりとしたものを選ぶ。 |
主な保存方法 | 冷蔵庫で保存する。 | 冷蔵庫で保存する。 | 冷蔵庫で保存する。 |
シークワーサーの特徴
沖縄県原産のシークワーサーは、その生命力あふれる酸味と特有の芳香で、長い間地元の人々に愛されてきました。この小さな果実は、ビタミンCをはじめとする栄養素を豊富に含み、体内の抗酸化作用を促進し、疲労回復に役立つとされています。また、シークワーサーの果汁は酸味が強いため、沖縄料理に限らず、さまざまな日本料理や西洋料理、さらにはドリンクの風味付けにも幅広く利用されています。その独特な酸味は、料理の味を引き締め、食欲を刺激する効果があります。
すだちの特徴
徳島県を中心に栽培されるすだちは、その清涼感あふれる香りと穏やかな酸味で知られています。特に夏の暑い時期に収穫されるすだちは、その爽やかな香りで熱中症対策や夏バテ防止にも一役買っています。冷やし蕎麦や魚料理のアクセントとして使用されることが多く、料理に加えるだけで、一瞬にして夏の風を呼び込むことができます。また、すだちに含まれるクエン酸は疲労回復に効果的であり、日々の健康管理にも役立ちます。
カボスの特徴
大分県を主な産地とするカボスは、その柔らかな酸味とほのかな甘みで、さまざまな料理に深みを加えることができます。特にサラダや魚料理、ポン酢の原料として使用されることが多く、カボス特有の風味は料理の味わいを一層豊かにします。カボスに含まれるビタミンCやクエン酸は、健康維持に寄与し、美容面でも注目されています。また、カボスの果汁を使用したドリンクは、暑い夏の日の水分補給に最適です。
三つの柑橘類の違い
シークワーサー、すだち、カボスの三つの柑橘類は、それぞれが独自の風味と利用法を持っています。シークワーサーはその強い酸味で、料理の味を際立たせることができる一方、すだちはその清涼感あふれる香りで、食材の風味を引き立てます。カボスは酸味と甘みのバランスが絶妙で、料理に深みを加えることができます。これらの柑橘類は、それぞれに特有の栄養成分や健康効果を持ち、料理やドリンクでの利用法も異なるため、用途に応じて選ぶことが大切です。
栄養素(主成分)の違い
可食部100g中の主成分はこちらです。
栄養素 | シークワーサー | すだち | カボス |
---|---|---|---|
エネルギー | 44kcal | 25kcal | 27kcal |
たんぱく質 | 0.8g | 0.6g | 0.5g |
脂質 | 0.2g | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 10.1g | 5.7g | 6.2g |
食い | 2.4g | 2.0g | 2.2g |
水分 | 87.5g | 91.6g | 91.0g |
ビタミンC | 160mg | 43mg | 50mg |
クエン酸 | 1.4g | 1.0g | 1.2g |
カリウム | 220mg | 180mg | 190mg |
可食部100gあたりの主成分を比較すると、ビタミンCはシークワーサーが最も多く160mg、これはレモンの約2倍に相当します。
次いでカボスが50mg、すだちが43mgと続きます。クエン酸はすだちとカボスが比較的多く、それぞれ1.0gと1.2g含まれています。これは疲労回復効果が期待できる量です。カリウムは3種とも多く、シークワーサーが220mg、すだちが180mg、カボスが190mgです。カリウムは高血圧予防に効果があるとされています。
まとめ
シークワーサー、すだち、カボスは、それぞれ異なる栄養価を持つため、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
- ビタミンCを多く摂取したい場合は、シークワーサーがおすすめです。
- クエン酸を多く摂取したい場合は、すだちかカボスがおすすめです。
- カリウムを多く摂取したい場合は、3種いずれでもおすすめです。
シークワーサー、すだち、カボスはそれぞれ異なる特徴を持つ魅力的な果実です。それぞれの栄養価や用途、選び方などを参考に、料理や健康に役立てましょう。